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伊藤和子のNYだより

第0003回 (2004/09/19)
9.11そして…このままではブッシュ再選?

 みなさん、こんにちは。伊藤和子@NYです。

 先週末は9.11にあわせて様々なセレモニーがありました。
 事件発生時間にあわせてグランドゼロでは犠牲者の名前を読み上げて献花をするセレモニーがおこなわれ、ハドソン川では灯篭流しがありました。本当に9.11はNY市民にとって深い悲しみの日であり、みんなその痛みを抱えているのだ、ということを改めて感じました。
 9.11にあわせて、日本からピースボートが入港し、私も、ピースボートの吉岡さん、川崎さんのご紹介で、ピースボートとNYの市民団体が共催する平和イベントに参加させていただきました。
 マーチン・ルーサー・キングが演説をしていたというリバーサイド教会で開催された9.11イベントでは、広島の被爆者から託された火(ピースボートがNYまで運んできたとのことです。アテネの火も混じっているとのこと)が9.11遺族に渡されました。
 数少なくない9.11の遺族の方々が、報復でなく平和的解決を、と訴えて「ピースフル・トゥモローズ」http://www.peacefultomorrows.org/という市民団体をつくり、アフガン、イラクへの戦争に反対し、アフガニスタンやイラクの戦争被害者とも交流を重ねるなどの活動をされています。
 彼らは、9.11の前後数日間、ボストンからニューヨークまで、平和を訴えて歩く「ストーン・ウォーク」をされていました。
 ボストンから粘り強く歩く、という決して派手ではなく、地道で労苦を伴う行動を選択した彼らの平和に対する強い意志を感じました。日本などからも何人かの若い人がそのウォークに参加していました。
 教会でのイベントでは、その「ピースフル・トゥモローズ」の方が、アメリカが暴力の道、世界からの孤立の道を断ち切って世界と友情を再び取り戻すことを求める、とスピーチされました。深い痛みをもった方々の声だけに、とても感動的でした。
 このイベントに前後して、私は個人的に、キャサリン・サリバンさん(アメリカで平和教育、特に核廃絶に関する教育のコーディネーターみたいなことを国連の委託でやっている若い女性)とそのお友達、鹿児島大の木村朗先生(平和学)、放送大学の高橋和夫先生(中東問題専門家でよくテレビに出ているらしい)、愛知大の河辺一郎先生(国連問題にとてもお詳しい)などとあい、親しくお話させていただきました。
 木村先生は、ワシントンの国立公文書館でマンハッタン計画に関する極秘資料を大量に入手され、劣化ウランと核兵器をつなぐ秘密計画の全容が明らかになりそうだ、とのことです。先生の今後の各種講演にご期待ください。私も木村先生からいろいろ詳しく教えていただいたので、時間をつくってワシントンにしばらくこもって劣化ウラン問題を調べたいと思っています。
 また、高橋和夫先生には、テレビでイラク問題、劣化ウラン問題をもっとお話いただきたいなあ、という期待をこめて「劣化ウランってなに?」(劣化ウラン廃絶キャンペーン)、「イラク人質事件と自己責任論-私たちはこう動いた、こう考える」(大月書店)を贈呈することにしました。
 それにしても、はじめてピースボートにも5時間ほど乗せてもらいましたが、すごい客船で驚きました。これを365日動かしながら国内でもアメリカでもアクティブに活動する吉岡さんたちピースボートの皆さんに改めて敬意を感じました。彼らは、その後勇ましくハリケーンの待つジャマイカ(!)に向けて出港されましたが、今頃元気でやっているだろうか??? ご無事をお祈りします。

 ところで、皆さん、ご存知でしょうか。共和党大会と9.11を終えて、ブッシュ支持が急増し、ケリー支持は凋落しています。ケリーは共和党大会直後にブッシュのイラク政策を強く批判しはじめ、4年以内にイラクから米兵を撤退させる、と演説しました。しかし、その演説以降、ケリー支持がさらに落ちこみ、最新の調査では7パーセントちかくブッシュに水をあけられています。
 テロに強い姿勢で立ち向かわない者はアメリカの指導者としてふさわしくない、という論調が強まっています。このまま自然に流れて行くと、なんと!!ブッシュが再選されると思います。
 世界の7割がブッシュ不支持だ、というのに、何故だ?と思うみなさん、以下のようなことが考えられないでしょうか? 是非、アメリカの普通の市民のハートに落ちる言葉で、世界の願いを伝える方法を考えていただけないでしょうか?
 アメリカの中間層・浮動表層の市民は根は悪人ではないのですが、 ブッシュ政権誕生後の4年間、イラクやアフガニスタンでどんなに多くの人々が殺され、苦しんでいるのか、実感・想像できない人々が多いのではないかと思います。アメリカの人にしか、ブッシュ政権をやめさせる直接の選挙権はない、そしてそれが、世界にとって、世界の多くの人々の生死に関わる本当に大切な機会だということを、アメリカの中間層に一人でも多く知ってもらいたい。世界からアメリカの友人に一人でも多くメッセージを届ける方法がないだろうか? と考えています。
 例えば、世界からの様々なメッセージを集めて「アメリカの友人たちへ」というメールを(転送大歓迎!!で)送るとか、ちょっとした行動から何かできないだろうか。考えていただければうれしいです。
 ちなみに、わざわざ「平和の投票を」とアメリカ市民に呼びかけるためにNYにこられる日本の方もいて私はとっても感激しましたのでご紹介します。

 画家の井上玲さんが、選挙にあわせて渡米して平和のための投票を呼びかける路上アクションをされる予定とのこと。http://www.h5.dion.ne.jp/~inouerei/senkyoyuko.htm これまで日本で平和の投票を呼びかけられ、「今回はNYで平和のために投票してくださる方に路上で、無料の似顔絵を描こうと思っています」とのこと。
 以下、井上さんより。
 ちなみに「映画監督」は鎌仲ひとみさん、「弁護士」は私です(^^)

 ではでは。みなさんお元気でお過ごしください。


井上さんからのメール---------------------------------------------------------
 只今、今月26日からの絵画展を控え、健闘中ですが、10月半ばから大統領選にあわせNYに行きます。

 NYでは PS1美術館で石川真生さんらの米軍の日本・韓国基地被害を訴える写真展も開催されます。10月17日より(取材歓迎です NY選挙・平和運動・美術関連レポートします。)ある映画監督から日本人弁護士の方をご紹介いただきました。ある画家の方から日本人画廊経営者の方をご紹介いただきました。ありがとうございます。おもしろい旅になりそうです☆

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