日民協事務局通信KAZE 2009年10月

 二〇〇九年夏季合宿に参加して


「今夏も八月末に合宿研究会がある。合宿場所は湯河原である──さがみの小京都≠ニいわれる温泉地──」これはぜひ参加してみようと決めた。そして八月二七日〜二八日湯河原での夏季合宿に参加した。私は関西人なので、残暑をのがれて、熱海の温泉に親しむことを楽しみにしていた。
 八月三〇日には衆議院議員選挙がひかえていたためであろう、今夏の参加者は昨年に比べて少なかった。しかし、弁護士や学者や研究者などがひざを交えて共通の目標に向けて話しあい、現状の状況と理論との整合性を討論することは私にとって有意義なものであった。一日目には衆議院議員選挙やその後の行方、憲法問題や裁判員制度について話しあわれた。国会議員の比例定数削減の動きについては、坂本修弁護士より「比例定数削減・小選挙区強化へ反対の声を」と題して、「みんなで声をあげ、共同を広げ、暴挙を阻止し、憲法を守り、生かそう」との力強い主張がなされた冊子を教材に、選挙制度と政党助成金問題への取り組みを本格化させるべきだとの議論とともに、法律家団体共同でシンポジゥムの開催と、「法と民主主義」での特集企画などの必要性が強調された。そして、引き続き、この秋に開催を予定されている第四一回司法制度研究集会(一一月一四日(土)・東京・麹町 弘済会館)の内容について、議論を深めた。五月より開始された裁判員裁判を「在るべき刑事司法」を尺度に、その検証を試みることになった。内容にふさわしい基調報告者の選択など、二ヶ月半にせまった研究集会の取り組みを急ぐべく執行部を中心に努力することを確認。日民協の発展に向けての組織拡充・財政問題について、創意に満ちた提案とともに、活発な意見交換が行われた。また、「法と民主主義」のこれからの企画についての検討がなされ、記事に対する希望や意見が交わされた。一日目の合宿スケジュールの最後は、夕食をかねた懇親会となった。四角にセットされたテーブルを囲み、参加者全員の詳細な自己紹介と、これからの決意が離され離され、人数の少ない割には、充実した会合であった。二日目は、「核兵器のない世界を目指して」と題する学習会。魅力的な報告者が三名も予定されていたにもかかわらず、私は急用で参加できなかった。この二日目の学習会を基礎に、本号の特集が企画されると聞き、特段に、楽しみにしている。
 そして、来年(二〇一〇年)は日米安保五〇年、再来年は日民協創立五〇周年を迎える。また、協会の歴史にとつても節目となる来年の夏季合宿は、きっと意味深いものになりそうだ。来夏八月には参議院議員選挙の結果が出ていることであろう。政治の行方はどうなるのだろうか。関心のあるところである。私もぜひ参加したいと思っている。
 来夏には、元気でお目にかかりましょう!

(神戸山手大学 後藤安子)


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