●法と民主主義2・3月号
2・3月号・446号の「法と民主主義」をお届けします。
先月号のbS45で鳩山政権の基本的な政策を批判的検討を加えながら、私たち、民主的法律家運動の課題はなにかを検討考察する特集をくみましたが、今回の「特集●議会制民主主義とあるべき選挙制度」は、その第2弾として企画されました。
民主党の「マニフェスト2009」で、「衆議院の比例定数の80削減、参議院についても衆議院に準じて削減」を掲げ、『日本改造計画』で理想としていた「単純小選挙区制」への道すじを示しており、連立与党は、「与党と内閣の一体化」、「国会審議の活性化」と称して、@政府参考人制度の廃止、A内閣法制局長官の「政府特別補佐人」からの削除、B大臣政務官の増員などの国会法・議院規則の改正案を策定し、あらたな「政治改革」を始動させつつあります。
今回の特集では、90年代に制度化された「政治改革」後15年間の選挙と議会を振り返り、その間の議会制民主主義の変容をどう見るか、政権交代は何を意味するか、政権交代後のあらたな「政治改革」の動きをどのように評価するか等々について検討し、あるべき選挙制度・議会制度とはどのようなものかについて、多様な視角からの考察をおこなっています。
加藤一彦氏は、現在の選挙制度が構想する政治システムと日本国憲法が想定する統治構造とを「憲法構造的視点」から検討されています。
吉田徹氏は、現在の選挙制度から生まれた二大政党化が政党政治にもたらか影響と問題点を比較政治制度の観点から分析されています。
植松健一氏は、民主党の「国会活性化」論を、中村明氏は、内閣法制局長官の国会答弁を封じる「国会法改正」について、鋭い批判的考察をされています。
長谷川千秋氏は、二大政党政治の援軍となりつつあるメディアへの警鐘をならしています。
田中隆氏は、財界と小澤一郎氏の掲げるビジョンから民主党の「政治改革論」の本質と矛盾を明らかにしています。
坂本修氏は、民主党などが企てる「衆院比例定数削減」の意味するものの検証とともに、その阻止する意義について力説されています。
望月憲郎氏は、日本国民救援会の闘いの歴史と、選挙運動の自由をもとめる運動
の重要性について、紀平悌子氏は、婦人参政権運動とともに「理想選挙」の実践を通して、政治改革の源流を指し示しています。
また、特集外においては、時評では、「日米同盟」論の矛盾について。刑事法の脱構築では、刑罰による人権制限の許容範囲と題し、ヨーロッパ人権裁判所のイギリス事例を素材に問題提起を。「判決ホットレポート」では、砂川政教分離住民訴訟の違憲判決をとりあげています。「ピアノを弾く弁護士」上条貞夫先生のとっておきの一枚。そして、昨年の10月号(bS42)から間が空いてしまいましたが、検証・冤罪はこうしてつくられたの2回目に、60年前の三鷹事件をとりあげました。無実の死刑囚・竹内景介氏の無念さを、事件当時の社会状況とともに、明らかにしながら、多くの教訓を引き出しています。今回は、前半部分の掲載となっています。
2.3月合併号となる「法と民主主義」を、皆様のご協力のもと、会員・読者のお手元にお届けすることができ、改めて感謝申しあげます。ぜひ、学習会等の教材としてもご活用いただけましたら幸いです。
「法と民主主義」編集委員会
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