No.47の記事

米兵の強盗殺人に怒る。

私はナショナリストではない。ナショナリズムそのものの価値を認めない。ナショナルなシンボルの呪縛を排斥しなければならないと考えている。
サッカーの試合では絶対に日本を応援しない。オリンピックでは、小国、新興国、第三世界の選手の活躍に拍手を送る。日本人だから声援を送ることはあり得ない。
その私も、米兵の日本人に対する犯罪には、心底腹が立つ。切歯扼腕である。

暮れの八王子での米兵轢き逃げは、「公務中」の犯罪だったという。地位協定17条3項a(A) では、「公務執行中」の犯罪については米軍が第1次的に刑事裁判権を持つ。米軍が裁判権を放棄しない限り、日本の司法当局はどうにも手出しができない。なんたること。幕末の不平等条約さながらではないか。

1月3日早朝には、横須賀の女性がキティホークの水兵に殺害された。敢えて断定は避けるが、状況からは強盗殺人であるらしい。極めて凶悪な犯行である。今度は、公務執行中ではない。従って、第一次の裁判権は日本側にある。ところが、地位協定の同条5項cでは、「犯罪者の身柄が米軍の手にあるときは、起訴まで米軍が拘禁する」となっている。
身柄を日本の警察・検察に引き渡さないというのだ。これで、日本の警察・検察が十分な捜査ができるか。何よりも、日本で犯した日本人に対する犯罪ではないか。他の日本人犯罪者と同等に取り扱え。

たまたま、今回は監視カメラに、犯人が写っていたようだ。それなければ、身柄を押さえずしては、起訴までの証拠固めもできはしないだろう。

地位協定なんぞ廃棄せよ。そもそも、安保条約そのものが不要だ。轢き逃げや、殺人、強姦を繰り返している米軍の駐留など、まっぴらごめんだ。

大国の横暴に対する抗議に有効である限りにおいて、ナショナリズムもまた良し。都知事・石原慎太郎よ、横須賀市民・小泉純一郎よ、米軍に抗議せよ。