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伊藤和子のNYだより

第0001回 (2004/08/31)
ニューヨークに来て1カ月

みなさま:ご無沙汰しています。
 伊藤和子です。ニューヨーク大学ロースクールに客員研究員ということで滞在を開始してもうすぐ1ヶ月です。
 42番ストリート、1Aveという国連本部から歩いて2分くらいのところにいますので、是非機会があったらいらしてください。
 ところで、今NYは大変ホットな時期を迎えています。共和党大会がNYマディソン・スクエアで来週からはじまり、25万人くらいがNYに集まってプロテストをします。
 デモをしたあとセントラル・パークでピースラリーをする予定なのですが、なんとリパブリカンのNY市長がセントラルパークでの集会許可を出さない、という事態になりました。主催者と市は交渉をしてきましたが、らちが明かず、市に対し集会許可を求める裁判も先週から今週にかけて行われましたが裁判所は主催者の訴えを退けました。修正憲法1条の表現の自由はいったいどこに行ったというのでしょう!
セントラル・パークに向かう人間は許可のない違法デモということで逮捕されるかもしれない状況です。私の指導教授も「デモはいいけれど本当に逮捕されて国外退去になる可能性があるのでセントラル・パークはやめなさい」と口をすっぱくして注意しています。当日まで事態がどうなるかわかりませんが、そんななかでも全国から続々とブッシュNOの声をあげる人たちが集まっています。
 共和党大会前後の動きについては、在留邦人宛に日本総領事館が出している警告がよくまとまっていますので、ご覧ください。彼らの認識-デモをするのは反政府団体-というのがよくわかり、呆れますけれど。
 それと、昨日はイラク国際民衆法廷のNY公聴会があり、元司法長官のラムゼー・クラーク氏もイラク戦争の違法性について感動的なスピーチを行っています。劣化ウラン問題の分科会に参加しましたが、そこでユニークな専門家たちにたくさんあいました。
 とくに、ニューヨーク在住の日本人の学者、カクミチオ先生という方のことをお聞きしました。長崎大の戸田先生によれば、
「1980年に日本政府の核廃棄物海洋投棄計画が問題化したとき、カク博士は情報公開法(FOIA)で米国が海洋投棄した核廃棄物ドラム缶が海底で破損している写真を入手して世界に流しました。カク博士は劣化ウラン弾反対運動、宇宙軍事化反対運動の学者活動家としてヘレン・コルディコット博士(医師)などと並ぶ存在」だそうです。
 是非今度おあいして日本にもご紹介したいと思っています。
 それと、未確認情報ですが、大統領選挙直前の10月下旬、ワールド・ソーシャル・フォーラムをNYで開催しようという動きもあります。
 そんなわけで、刺激を受けつつ元気にやっています。今後もよろしければときどき情報を送らせていただきます。
 ちなみに、NYUでの研究テーマは1 陪審制度 2 国際法と市民社会です。
 ではでは。

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