日民協事務局通信KAZE 2004年5月

 新事務所への移転と総会日程

(弁護士 澤藤統一郎)

■自衛隊のイラク居座りが既成事実化し、ボランティア活動家に「自己責任」という悪罵が投げつけられ、教育現場に「日の丸・君が代」処分がまかり通り、国会では有事関連七法案の審議が進行し、改憲・論憲・創憲・加憲論議が喧しい二〇〇四年の五月。それでも、「平和憲法を守れ」という声は、全国津々浦々に響いている。事態が厳しければ厳しいほど、憲法運動もねばり強く積み重ねて行っている。
 本号は、緊迫した事態の中での草の根の憲法運動の紹介特集である。
■国会内勢力図が極めて偏頗となり、憲法委員会の設置、国民投票法案の提出までささやかれる事態に、市民運動・国民運動の重要性は言うまでもない。当協会も、その一翼を担って憲法改悪阻止の運動を強化しなければならない。
 そのような時期に、当協会の事務所は移転することとなった。
■当協会事務所は、一九六一年の発足以来、長く中央区京橋の宝友ビルに所在していた。会員の活動参加の便のために、交通至便な四谷伊藤ビルの現事務所に移転したのが一九九九年四月。協会活動にこのうえない立地と、まずまずのスペースを確保した。
 しかし、この利便性の高い事務所の賃料を維持し、さらに「法と民主主義」の内容・ページ数ともに充実した発行を行い、司法制度改革や民主的法律運動に貢献するための財政基盤は、いまだ確立されているとは言いがたい。
 この利便性の高い事務所移転をバネに、会員・機関誌の増加を計り、さらに「法と民主主義」の内容・ページ数ともに充実した発行を行う予定だった。しかし現状は、ともに伸び悩み、財政基盤はいまだ確立に至らず厳しい状況が続いている。
■今回の事務所移転は、このような協会の実情を見かねた、ある長老会員からの事務所スペース提供の申し出を受けてのことである。協会は、地下鉄・新宿御苑駅至近の新築ビルの二階・三階部分各十五坪のスペースについて使用貸借契約を締結して移転する。二階部分を事務スペース、三階部分を会議室に宛てる予定で、レイアウトの検討も進行している。新事務所で新たな飛躍をすべく、理事長以下執行部は決意を新たにしている。
 このほど、そのビルが完成した。これが実に日民協事務所に理想的なのだ。立地条件も、広さも申し分ない。明るく閑静な環境での会合も可能となる。移転予定は五月末。六月一日から、新事務所での執務開始を予定している。
■事務所移転は大仕事である。しばらくは、事務が滞ることを覚悟しなければならない。もちろん、並行しての「法と民主主義」編集と発行を遅滞することはできない。
 事務所移転に関連して、二〇〇四年度総会日程を一一月とすることとなった。例年六月末か、七月初旬に行っているものを、約四か月の先送りである。
 七月三日(土)を仮の総会予定日として一部にはご連絡もしていたが、これをキャンセルして正式に一一月六日(土)と決定した。なお続けて、翌七日(日)には司研集会を行うことも決めた。六日には、憲法問題に重点を置いた企画を行うことになるだろう。
■「居は気を移す」という。新事務所移転を機に、ぜひとも会員の皆様の日民協活動への積極的参加をお願いしたい。また、財政負担の軽減分は、全てを「法と民主主義」の充実・増ページに宛てることにしている。決して、財政事情に余裕が出てくることにはならない。引き続いての財政ご支援もお願い申し上げる。
 新事務所住所
 新宿区新宿一丁目一四番四号AMビル二階 電話・ファクスは従前通り。


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