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専門研修命令執行停止申立に却下決定

東京都を相手にした服務事故再発防止専門研修の執行停止申立に却下決定。人数で14名、申立件数で4件。東京地方裁判所の11部(2件)、19部、36部の3か部にまたがるもの。全部負けた。なんたることか。

司法はこれでよいのか。司法の腰が座っていれば、さすがの都教委もこんなバカなことはできないはず。裁判所は、悪政の消極的共犯者ではないか。

午後7時から司法記者クラブで記者会見。どうしても言葉が乱暴になる。

「日の丸君が代処分とは、行政が教員の思想信条を処罰しているということだ。教員は式を妨害してもいない。誰にも迷惑をかけていない。必死で自分の良心を守っただけ。その良心がイカンと言って懲罰されている。

服務事故再発防止研修とは、これに対する追い打ちである。その良心故に懲戒されている教員に、「反省せよ」と言う。転向を迫り、改宗を強要しているのだ。

今の世に、こんなことがあってよいのか。どうして裁判所がこんな無法を止めないのだ」

それでも、裁判官の良心の痛みのようなものは垣間見える。
「本件専門研修が‥その目的を逸脱し,その方法,内容,態様等において,当該教職員の思想・信条に反する見解を表明するよう強要し,あるいは,思想・信条の転向を強いるなど,その内心の自由に踏み込み,当該教職員に著しい精神的苦痛を与えるようなものであるときには,そのような研修を命じる職務命令は,受講者に対し重大な損害を生じさせるもので,‥効力等が停止されるべき「処分」に当たると判断される」
「本件専門研修は、昨年度も基本研修や専門研修を受け、さらには本件基本研修を受けた者に対して行われるものであるから、その内容が従前行われたものを繰り返すものであるとすれば、研修対象教職員に対して精神的苦痛を与えるおそれは残るところである」
「本件専門研修が内心の自由に踏み込み、著しい精神的苦痛を与えるようなものである場合には、処分性が肯定される」などなど。

「現時点において専門研修を実施すること自体についての必要性・相当性には議論の余地があるとしても、‥」という担当裁判官の都教委への不快感表白と読めるところさえある。

「度を過ごしたら、目をつぶってはいられなくなる」というのが、裁判所のサイン。だんだんと、目をつぶってはおられなくなる基準が示されてきた。

方法と内容が、長時間・繰りかえし・同じこと・執拗・見解の表明を迫る・内心に踏み込む、などなど。これが歯止めだ。負けても申立を繰り返す実益はある。彼らが、本当にやりたいことはできない。

だから、負け惜しみではなく、申立の効果はあったと思う。都教委を牽制し、教員を励ますこと。教委に負けないしつこい弁護団ここにあり、なのだ。