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 法と民主主義2011年8・9月号【461号】(目次と記事)


法と民主主義2011年8・9月号表紙
創立50周年記念●平和・人権の確立と司法の民主化をめざして
記念特集の発刊にあたって………編集委員会
■次世代へのメッセージ
◆恵庭・長沼裁判の担当者として伝えたいこと………内藤 功
◇恵庭・長沼裁判の闘いのバトンをつなぐ………川口 創
◆将来世代の弁護士さんたちへ………大久保賢一
◇世代を超えた対話・交流を………森 孝博
◆高く掲げよう「ヌチドゥ宝」………新垣 勉
◇米兵犯罪に泣き寝入りはしない………中村晋輔
◆「あんな戦争は二度とやってはならない」との決意に生きて………根本孔衛
◇過ちを繰り返させないために………小賀坂徹
◆定数削減を阻止し、憲法の生きる日本を………坂本 修
◇共に歩み続ける先にこそ未来が………神保大地
◆法律家と「怒り」………森 英樹
◇法律家のネットワーク力………小沢隆一
◆法律家の生き甲斐………澤藤統一郎
◇先輩法律家の存在に励まされながら………清水雅彦
◆憲法25条を武器に………新井 章
◇原点は「朝日訴訟」、武器は「25条」………渕上 隆
◆患者の権利運動と法律家の役割………鈴木利廣
◇患者の権利運動と鈴木先生………大森夏織
◆司法は裁かれていない─ハンセン病問題と法律家の責任………徳田靖之
◇「やましき沈黙」からの脱却………野間 啓
◆行政に理不尽があったら、「オブジェクション!」………高橋利明
◇よみがえれ!宝の海・有明海………後藤富和
◆バトンに託す深い思い──中国人戦後補償裁判闘争………小野寺利孝
◇バトンは彫琢してこそ──弁護士の職務領域を越えた価値………福留英資
◆子どもの権利の拡充のために──土佐高校落雷被災事件………津田玄児
◇当事者に学び、当事者に寄り添う………佐藤香代
◆公害根絶・環境保全を求めて………豊田 誠
◇3・11からはじまる公害根絶・環境再生への取り組み………大江京子
◆「生きがいと希望のもてる社会を」―─貧困問題の取り組みを期待する………宇都宮健児
◇大震災も貧困も乗り越えてゆこう 弁護士自治の旗は掲げて………及川智志
◆消費者運動・市民運動こそが日本の民主政治を支える………木村達也
◇高利貸金業被害から反貧困運動への展開………辰巳裕規
◆市民による企業の非常識に挑んで―─株主オンブズマンの経験から………阪口徳雄
◇株主の権利弁護団から──株主・市民の常識の受け皿として………前川拓郎
◆政教分離訴訟を闘って30年………加島 宏
◇バトンなんか、受け取らない………康 由美
◆「貧困からの解放」から「教育・教科書の自由の獲得」への課題………俵 義文
◇教育・教科書の自由と法曹の責任………穂積匡史
◆公立学校での「日の丸」「君が代」強制に抗する訴訟………加藤文也
◇子どもたちの心を守り、自由で暖かい社会を取り戻すたたかい………黒澤いつき
◆メディアの民主化を目指す法律家の活動とその展望………梓澤和幸
◇市民メディアの発展によりメディアの民主化の実現を………加藤 幸
◆差別の根絶をめざして………中山武敏
◇励ましでも謝罪でもなく──差別根絶のためにやるべきことは………金 竜介
◆坂の上のキノコ雲………安田純治
◇大地に足をつけて………渡部容子
◆被爆者の目で原子力災害を捉え原爆記憶を世界遺産に………池田眞規
◇核時代をヒバクシャとして生きる弁護士を目指して………徳岡宏一朗
◆破壊から学ぶ転換………佐々木猛也
◇未来世代の希望を預かる責任………河上暁弘
◆核兵器と原発の廃絶を………浦田賢治
◇いかに受け継ぐか ヒロシマ、ナガサキ、そしてフクシマ………山田寿則
◆原発裁判30年──過ちを繰り返さないために………海渡雄一
◇原発安全神話への挑戦──島根原発差止訴訟から学んだこと………林 一蔵
◆次世代への希望について──被災地からの願い………庄司捷彦
◇もう一つの被災地から──絶望を乗り越えるために………渡邊 純
◆刑事司法が学者に求めるもの………川崎英明
◇嵐のなかの刑事訴訟法学………渕野貴生
◆嗚呼 冤罪氏c……秋山賢三
◇「防ぐ人」たらんと欲す………阿部 潔
◆冤罪事件の責任………柴田五郎
◇冤罪からの一刻も早い救出を………佃 克彦
◆陪審問題について………石松竹雄
◇市民による陪審制度の再開のために………石塚伸一
◆裁判員制度をどうするか………五十嵐二葉
◇「裁判員裁判」に命を吹き込む………永瀬英行
◆あのころ裁判官たちは何を考えていたか………宮本康昭
◇裁判官に時間と心のゆとりを………竹内浩史
◆裁判官の自由のために──寺西事件と日独裁判官物語………高見澤昭治
◇被疑者の自由のために──令状審査に力を注ぐ………寺西和史
◆司法改革はどこからきたか………大川真郎
◇これから改革すべきものは?………米倉洋子
◆日本の司法に憲法の輝きを法曹一元制度を導入しよう………鳥生忠佑
◇原発・震災被害者の人権の砦となる司法に………南 典男
◆最高裁裁判官国民審査の再生めざし………鷲野忠雄
◇最高裁裁判官国民審査について悔い改めた私………西川伸一
◆司法改革法案等の立法作業に関与して………佐々木秀典
◇激動する民主主義の力にふさわしい国会を………仁比聡平
◆後世代に遺したい言葉………渡辺 脩
◇在野法曹の真の価値を受け継いでゆくために………泉澤 章
◆「法律家」間の社会的分業………江藤价泰
◇時代にあった法律家間の分業を目指して──「落ち穂拾い」から「生活支援」へ………稲村 厚
◆司法の民主化と全司法労働組合………吉田博徳
◇先輩たちの司法民主化の先駆性をいかして………門田敏彦
◆「役に立つ税法学」を求めて………浦野広明
◇納税者の権利の確立を目指して………望月 爾
◆働く者の「団結」の再生を氏c……宮里邦雄
◇権利意識の覚醒から団結の再生へ………佐々木亮
◆家事事件が映しだす社会………平山知子
◇それぞれの「使命」を受け止めて──暴力・戦争の根絶と脱原発をめざして………岸 松江
◆好奇心とプラス志向で!──女性の弁護士として思うこと………久米弘子
◇「好奇心とプラス志向」持ち続けます!──「家庭と仕事」の輪の中で思うこと………長尾詩子
◆少年法の危機と弁護士付添人の重要性………斎藤義房
◇少年たちと真摯に向き合いたい………伊藤由紀夫
◆家裁に働く仲間の皆さんへ………浅川道雄
◇家裁発足理念をいま一度………小林一善
◆地方に法律事務所を構えて………金野和子
◇地方で市民のニーズに応えていきたい………江野 栄
◆土佐に生きて──往事茫々………土田嘉平
◇地域の人権の開拓者として………加藤 裕
◆歴史の旅………上条貞夫
◇未来に続く喜びの歩み………三浦直子
◆『ニュールンベルグ裁判』と『大日本帝国』──若き法曹に観て欲しい映画………内田雅敏
◇そのとき何処にいたのか──映画『ニュールンベルグ裁判』を見て………井堀 哲
◆戦争の歴史を語り継いでほしい=平和博物館の営みから………野間美喜子
◇うけとめ うけつぎ 語りつぎ………市田真理
◆三つの震撼すべきことと法律家の国際連帯………新倉 修
◇人権の視点での国境を越えた発信を………田部知江子
◆難民・外国人事件を受けるあなたへ………渡邉彰悟
◇外国人・難民が人として尊重される社会を目指して………本田麻奈弥/小田川綾音

記念論稿●日民協の50年とこれから(T)………久保田 穣
年表●この10年(2001年〜2011年)の日民協のあゆみ
資料●「法と民主主義」(創刊号〜460号)総もくじ
インフォメーション●DVDの活用について
付録●創立50周年記念「法と民主主義」DVD

 
創立50周年記念●平和・人権の確立と司法の民主化をめざして

記念特集の発刊にあたって
 日本民主法律家協会の生年月日は一九六一年一〇月七日である。
 この日の午後、日弁連会館の講堂で開催された創立総会への参加者は六六名。原始会員は、自由法曹団・総評弁護団・青年法律家協会の三団体(二年後には、全司法労働組合が加盟)と個人会員二〇一名であった。選任された代表理事は九名、海野晋吉ら弁護士のほかに、野村平爾、末川博、平野義太郎、恒藤恭、戒能通孝ら学者の名がならんでいる。
 知られているとおり、空前の国民的運動となった六〇年安保闘争の一翼を担った法律家部門の統一戦線組織が「安保改定阻止法律家会議」となり、その発展的な改組としての日本民主法律家協会の誕生であった。設立総会において掲げられた協会の目的は、「独立と平和と民主主義を確立し、人権の擁護と伸長をはかる」である。

 以来、協会はこの目的に添って、憲法擁護、平和と民主主義と人権の確立、そして司法の民主化を求めてその歩みを継続し、今秋創立五〇周年を迎える。本号は、この五〇年を振り返り、新たな五〇年に踏み出すにあたっての記念特集である。
 この五〇年間、まことに多様多彩で豊富な法律家の活動があった。多面的な課題に、創意に満ちたさまざまな活動が積み重ねられてきた。そして今、世代を超えたその経験と成果の承継が大きな課題となっている。
本号では、「次世代へのメッセージ──時空を超えた書簡集」を企画した。誇るに足りる法律家活動の成果とその承継とを確認しようとする試みである。
 編集委員会はしかるべき会員・読者に、次の依頼をした。
 「記念特集号の企画では、先進会員・読者の寄稿を『次世代へのメッセージ』として誌面に掲載するとともに、そのメッセージの神髄のしかるべき受け手を探して、受け手の寄稿と併せて、『時空を越えた書簡集』とする誌面構成を考えています。
 まずは、次世代に伝えるべきメッセージをしたためてください。編集委員会が、いただいたメッセージの受け手として最もふさわしい方を全国から探してお届けし、これを受けとめてもらって、実践承継の決意を書いていただくようお願いいたします。もし、ぜひこの人に、この団体へなど、受けとめて欲しい次世代が具体的に思いつく方には、その旨明記いただけると幸いです」。

 この要請に応えて寄せられた五十余通のメッセージと、これを受けとめた若い世代の「時空を超えた書簡集」をご覧いただきたい。
 メッセージの発信者を「sender」、これを受け止めた返信者を「recipient」と表示した。貴重な荷物の「送り主」と「受け手」というイメージを込めてのことである。是非とも、両者の往復書簡の心地よい響き合いを感得していただくようお願いしたい。そのハーモニーこそ、世代を超えた民主的法律家活動の経験と成果との承継の証しである。

 次いで、久保田穰前理事長の「日民協の五〇年とこれから」(T)を掲載した。日民協創立の経緯から、一九六〇年代、七〇年代、八〇年代の協会活動の詳細な歴史である。紙幅の都合上九〇年代以後は次号の掲載となるが、創立当時の日民協の息吹を伝えて、「新たな半世紀に向けて、協会活動を発展させていく上での手がかりを模索」するための労作である。

 そして、「法と民主主義」創刊号から四六〇号までの全目次を掲載するとともに、「創立五〇周年記念『法と民主主義』DVD」を付録とした。ともに、貴重な記録であることの自負をもってのことである。
 本特集が、世代を超えた新たな法律家運動の起点となることを願いつつ、会員・読者そして、協会と「法と民主主義」を支えて下さった方にお届けする。

「法と民主主義」編集委員会



©日本民主法律家協会