No.278の記事

10・23通達以来、10回目の卒業式

今春、都立校は、10・23通達発出以来10回目の卒業式を迎えた。もう一昔前となったあの頃を思い出す。

悪夢は石原慎太郎の再選から始まった。あの右翼に308万もの票を与えた都民の責任が大きい。この「都民の支持」を背景に、知事と右翼都議と、米長邦雄、鳥海厳らの石原取り巻きが都教委を私物化した。

あれから10年、事態は本質的には変わっていない。私たちは変わらないことに切歯扼腕しているが、都教委の側も同じ心情なのかも知れない。

本日、その卒業式で6名に懲戒処分(5名に戒告・1名に減給処分)が発令された。これで、「10・23通達」関連の処分者数累計は延べ447名を数えるに至った。

昨年の1月16日最高裁判決は、都教委の累積加重システムを違法とした。そして、多数の補足意見が、都教委に自制と問題解決への努力を期待することを表明した。
その結果、昨春の処分は、2回目以上の不起立等に対しても戒告処分としていたが、今回都教委は4回目の不起立者(1名)に対して減給処分の発令を強行した。都教委は、日の丸・君が代問題では、強気に出て良しと判断したのだ。

本日全水道会館で開催された処分発令に対する「抗議・支援総決起集会」では、怒りの渦が巻いた。日の丸・君が代を強制する10・23通達以後の学校現場が、命令と服従の場と化し、教職員がものも言えない状況に置かれており、この異常な事態を何とか変えていかねばならない、との切々たる訴えにも胸を打たれた。一方、自分の信念を貫く人々が、けっして現場で孤立してはいないことの報告に大きな拍手が湧いた。

訴訟と運動とが両輪とならねばならない。多くの人に、日の丸・君が代強制の不当と危険を訴え、支持を獲得しなければならない。精神的自由確立のために。教育を国民の手に取り戻すために。そして、過剰なナショナリズムの危険を防止するために。

10回目の卒業式で、あらためてそう思う。